イベント ①運動会

たいたいはイベントに弱い。中学生の今となっては、ようやく運動会も落ち着いてみていられるようになったので、イベントには弱かったと言ったほうがよいかもしれない。
多くの自閉症の子供たちがそうであるように、いつもと違った環境への適応がどうやら難しいらしい。
親としては、わが子の運動会は一大イベントであり、はりきってお弁当を作ったり、カメラやビデオの準備をしたりする。たいたいもお弁当は大好きで、それのみが楽しみであることは、間違いないので、私もお弁当時間はとても楽しみにしていた。
まずは、保育園の運動会。保育園も年長組にもなると、リレーなんて結構すごいもので感動するものなのだが、うちのたいたいは、まずコースにそって走れるか?ただ走るのは異常に得意なのだが、ここを走りなさいと、決められたコースをよーいどんで走ることは、どうも意にそぐわないらしい。
障害物競争は、なんでこの網をくぐらなければいけないのか。。
なんで、白い玉、赤い玉をべつべつのかごに入れるのか、たいたいには、まったく関係ないことのように、当然みんながやることを、やらないので、当日は先生が必ずつきっきりでした。それも、先生から前もって言われていたので、仕方なく見守るしかなかったのですが、ただ、当日のいつもと違った雰囲気が、ますますたいたいに追い打ちをかけ、やらないどころか、大泣き舞台になることがほとんど。

保育園最後の年だったか忘れてしまったが、全員リレーというものがあり、その名のとおり全員が走るのである。事前に担任の先生からたいちゃんは本番は先生が手を引いて走ることになるかもとはいわれて、覚悟はしていたました。

本番!たいたいの番になってバトンをわたされても、ぼーっとつったってるたいたい。(予想通りだが)
いざ先生の出番かとおもいきやクラスでいつも世話をやいてくれるYちゃんがさっと登場し、たいたいの手を引いてグラウンドを一周。涙がでました。会場も感動??かどうかわからないけど拍手喝さいでヒーローなんだかヒロインなんだか。。

親としては、なんともびみょーな、しかし私は感動でした。あろがとうね。Yちゃん。きっと今は、素敵なお姉さんに成長していることでしょう。

保育園時代は先生にこういわれました。「たいちゃんがいることで、周りのみんなが成長するんですよ。
たいちゃんのことをみんなで団結して助けようとして。」
たしかに、とくに女の子はよく世話をしてくれていた。
                         
運動会の一大イベントであるリレーが終わると、お楽しみのお弁当タイム。このときは元気。しかし、食べ終わったあと、応援席にかえるのがまた一苦労でした。ママはともかく、パパと昼休みいっしょに過ごすとそのまま、パパの手を引いて、駐車場へ。ドライブして帰ろうというつもりらしい。
                         
つまり、たいたいにとってはパパ=週末のレジャーなのです。だから、朝送るのが大変!パパとママと車でいったら着いても降りようとしない。「パパと学校」は結びつかない。「パパ=週末」なので、土曜日に保育園、学校で行われるイベントはパニックなのである。
                         
親も学習し、それ以来、運動会、発表会など週末親も一緒にいくイベントでもたいたいは平日のようにスクールバスにのって、親は別々にあとでこっそりいくことにした。 

こんな感じで親も毎年、すこしずつ学習し、イベント時にたいたいが少しでも平常心でいられるよう、パニックにならないよう思考錯誤し、工夫をしていきました。

徒競争で1等賞とか、リレーの選手とか、そういう問題ではなく、我が家にとっての大運動会は、また違った意味ではらはら、ドキドキであった。