奇妙な行動 ③面食い 「あんた、だれとデートしてんのっ!」

自閉症に限らず、知的な障害を伴う子は、本当に素朴でかわいい。(かなりの親ばかである)というととても聞こえがいいが、うちの場合ほとんど本能でいきているに近い。
人間の本能といえば、第一に「食欲」。これにはあまりにもおおくのエピソードがありすぎて、これからぼちぼち思い出してここで公開していくつもりだが。。

第二は「性欲」というと生々しいのでここでは「男」としておこうか。たいたいもれっきとした男である。だから女の子が好きだし、そういえば小さいころからかわいい子、きれいなお姉さん好き。ちいさいころは手がかかるし、なんにもできないから幸か不幸か女の子が必ずあれやこれやと世話してくれるので
たいたいの周りにはいつも女の子がいた。学校の先生や放課後クラブでも若いお姉さん好きでねえ。。たまにボランティアの大学生のお姉さんがくると、先生にはみむきもせずになるらしい。なんて白状な子なんでしょう。

たいたいと外を歩いていて、手を絶対はなせない理由の一つは、先に挙げた食べ物に関することで、勝手に走って食べ物のところにいってしまい、売り物でも、他人の家に生っている果物でも、最悪、他人が歩きながらたべているソフトクリームにまで手を出してしまう始末。これらの行動のフォローのために今まで、いくらはたいたことか。。まったく靴のことといい、手だけでなく金もかかる男である。これには、もう慣れたので対策ばっちりであるが。。


困ったことに、第二の本能、道をあるいているミニスートの女子高校生の足めがけて走り寄ったり、あのときは、このコギャルたちになんて怒鳴られるんだろうかとびくびくしたが、意外と意外!ギャルからは「かっわい〜」って言葉が。「すみません」と謝ったら、笑顔でした。まだ、小さかったからよかっただけです。今、やったら犯罪ですっ!

ある日は、デパートの下着売り場で、「あれ、どっかいっちゃった。また」と思い、一番思い当たる近くにあったフードコートにいってもいない!なんと、女性下着コーナーのマネキンに抱きついていた。まったく、この子も男だねって、おばあちゃんと笑ってしまった。

しかし、笑いごとではすまないこともあった。電車で出かけたある日、私がチャージをしているほんのわずかなすきにまた改札をするりと抜け、「やばい、また電車が発車してしまったら。。」と電車の先から先まで走りぬけてさがしてもいない。その頃はだいぶママもたいたいの行動を読めるようになってきたので、「ようし、いないときは食べ物!!」とはいっても。。あったあった。改札のなかにドトールが。「まさか。。」一人でお茶を楽しんでいた若いお姉さんの横に、まるでカップルのようにちょこんと並んで椅子に座り、お姉さんのパンを(もらったのか、奪ったのかしらないけど)いつものようにわるぎもなく、おいしそうに食べているではありませんか・・唖然。。まあ、店員も店の品物を食べたわけじゃあないから気がつかなかったかもしれないけど、そのお姉さんもお姉さんだよねえ。突然変な子がきて自分の食べてるものを隣に来て食べてるんですから。なのに平気な顔して、「いいんです。あげたんです」と。

こういう子を持っていると、つくずく思うが、世の中の若者も結構みないい人たちじゃないかって。。
ママは、たいたいのおかげで世の中は結構悪い人ばかりではないって思うようになったよ。ありがと。たい。
ドトール事件は本当に本能のまま生きてる象徴のような出来事でした。