電車の中はHappy Happy!! 温かいおばさん その2

ある週末、いつものように大好きな電車に乗っていました。
車内は空いているのに、いつものようにたいたいは景色がよく見えるためか、ドア際にたって、手をパンパン叩きながら、きゃ〜きゃ〜と喜びの奇声を発し、ぴょんぴょんその場でジャンプを何度も、何度も繰り返していました。
し〜んとしている車内では、どう見ても異様な光景であるのは言うまでもありません。
そんな我が子の行動に慣れて麻痺してしまっている私は、「今日もご機嫌!」なんてのんきなことを感じてしまっているこれまた迷惑な親なのでしょうが、世間、一般の人には迷惑であることは間違えありません。
電車の中で、彼がこのような行動をすると、大概、一気に周囲の冷たい視線をあびるのですが、その日は隣に田舎風の格好をした年配の女性が乗ってきました。
彼の異様な行動を見るなり「うるさいよ。頭おかしいんじゃないか」。
注意をしても全く聞かないたいたい。(いつもそうであるように)
「すみません。ちょっと頭の病気で・・」とわけのわからない言い訳をする私。
しばらく、ぶつぶつとひとりごとのように文句を言っていたおばさんですが、その後、
「そうか、それなら仕方ないな。ほら、僕、飴あげるからおとなしく座んな」
その手には、すぐのってくる我が子はいつものように、おばさんの手から飴を奪い取るようにあっという間に口の中にいれ、それからはしばらくはおとなしくおばさんのとなりに座り、窓からの景色をながめていました。
「ほらほら、暴れるから、ズボンが・・」と言いながら、まるで、自分の孫の世話をするように、腰パンのようにずっこけてはいているたいたいのズボンをあげてくれました。
その後、「でも、かわいいじゃないか。元気が一番!」と言い、乗ってきた時とは大違いの対応になり、「じゃ、僕、元気でな。風邪ひくなよ」と言いながら、電車を降りて行きました。
静かな電車のなかでのたった、4,5分の出来ごとでした。
周囲をちらっと見ると、冷たい視線を送っていた車内に座っている人たちが、この一連のやりとりを静かに観ていたように感じました。
どのように感じたかはわかりませんが、私はなんだかほっとした温かい気分になり、その直後(だけかも知れませんが)は、たいたいにも、いつものように大声で怒鳴ってばかりでなく、おだやかに接することができるような気がしました。
おばちゃん!ありがとう。
素朴で温かいおばさんとの出会いでした。
やっぱり、人は人との関わりの中から幸せやパワーをもらって生きてるのですね。と、私は感じました。